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2008年9月

全国展開する海外留学仲介大手「ゲートウェイ21」の破綻から。

『なぜ急にこんなことに』『これでは詐欺も同然』。『心配して足を運んだ女子会社員(20)は営業停止を知らせる張り紙を見るなり泣き崩れた。来年3月からカナダ留学予定だった。費用として支払った約120万円は高校卒業後、三年間働きながらこつこつとためた。』(以上中日新聞より抜粋)これを読んで、気の毒というよりも、阿呆やなぁ、知恵がないなと思いますね。留学するというのは、文字通り、学びに行くわけです。学ぶというのは、ただ外国語を学ぶということだけではない。異文化に触れて、多様な価値観を知って、難しい言葉で言えば「真人(しんにん)」、簡単な言い方をすれば、本当の知恵のある人間、本当に慈悲深い人間になるためにいくわけです。要するに、外国へ行って生活をする、学ぶということは、それを身を以て学ぶということですから、最初から、その第一歩を、自ら工夫することなく、わざわざ無駄なマージンを払って、パッケージツアーのごとく、人頼りにして、それで何かを学んでこれると思うなら、行くだけ無駄ですワ。

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あっちゃんへ

一歳年上のあっちゃんと僕は小さな頃から兄弟のように育ったね。従兄弟同士の僕たちは家が離れていたけど、土曜日の学校が終わると、バスに乗ってお互いの家に遊びに行った。あっちゃんが僕の家に来るときは僕はバス停であっちゃんが来るのを待って、僕があっちゃんの家に行くときはあっちゃんが僕をバス停で待っていてくれた。僕たちは、いつもお互いの弟を引き連れて、遊ぶときは、必ずあっちゃんと組んで、弟のふたりはいつも文句を言っていたね。公園で、紙を硬く丸めて、三角ベースボールをするのは、僕たちの遊びの定番だった。夏はあっちゃんの家に近くの市民プールで遊び、帰ると必ずあっちゃんのお母さんに昼寝をさせられたね。あっちゃんが先に中学生になると、僕は急にあっちゃんがお兄さんになったようになった気がした。それでも、僕たちは同じように、お互いの家を行き来して遊んだ。夜は遅くまで、青春ドラマの役者になった気分で、お互いの学校の話、好きな女の子の話を星を見ながら語り合った。オナニーの仕方や、子供の作り方を教えてくれたのもあっちゃんだった。あっちゃんが高校生になった頃から、僕たちは少しずつ離れていった。そしてお互いの人生を歩むようになっていった。あっちゃんは大学を卒業し、営業マン一筋、僕とは違い、普通にまじめに一生懸命会社勤めをして、二人の子供は大学生になり、去年家も新築した。僕は、高校卒業してすぐ駆け落ちして結婚、それ以来どうにかこうにかやってきて、お互いあっというまに四十も半ばを越えてしまったね。今、あっちゃんは、事務機器を巡る入札談合容疑とやらで突然警察に逮捕されて、拘置所の中で我が人生を顧みていることと思います。僕は、あっちゃんが企業の歯車として犠牲になったとか、悪いのは会社だとかは言いません。そんなことは言わなくとも、みんなわかっているし、すべては今後の人生が、そんなつまらんものの犠牲にならないように自らの糧にするしかありません。奥さんが血圧の薬の差し入れができないと言って心配していたけど、あっちゃんは、この10年、突っ走りすぎていたのではないですか。僕は、談合したことよりも、働き過ぎ、飲み過ぎで、高脂血症、高血圧で、毎日薬を欠かせない生活していたことのほうが、深刻な問題であったと思います。今回、あっちゃんを訪れた突然のアクシデントは、御嶽教を信心し、御輿を担ぐことが趣味のあなたにとっては、体質改善、精神修養のための、神勅であったと思い、有意義な拘置所暮らしをお送りください。そして、娑婆に帰ってきたら、子供の頃のように、二人でゆっくり話をしましょう。

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『西式健康法』

ちょっと訳あって江戸初期の禅僧「乞食桃水」についてウェブで調べていたのですが、「乞食桃水」の話しはまた次にして、その中で、《FAS協会:大籔利男「愚直なるもの」》という見出しが目に留まりました。FAS協会というのは、久松真一が昭和19年に禅の修業を通じた実践的、主体的学問の場として京都大学に開いた「京都大学学道道場」を前身として今も「座禅と論究」の場として活動を続けている団体です。そんな関係もあって、大籔利男さんの「愚直なるもの」という文章に目を通しました。「愚直なるもの」は、筆者ご自身が辿ってきた悩みや苦しみについて語られた文章で、「愚直なるもの」というタイトルと同様に、筆者の純な面影が垣間見え、飾り気のないよい文章だと思いました。自分自身の在り方や生き方に何の疑問も悩みも抱えず、出世したり金さえ儲かればそれで幸せに生きていけるようなお人にはまったく興味は向かないでしょうが、そうではなく、自分自身に向き合って正直にまじめに生きようとする人を認めることができる人、特に、現在、自分自身に苦しんで悩みを抱えている人、または精神病の治療法で悩んでいる人は一読されたらよいかもしれません。大籔利男さんご自身の体験談として、『西式健康法』というのが出てきて、ちょっと興味をそそられかもしれません。

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