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My sonよ

今朝は汐留のホテルで朝を迎えております。
毎月の出張パターンでは19日の朝岐阜を出てくるのですが、息子の件があったので、一日早く来て、昨日は息子の修業先にお詫びのご挨拶に行ってきました。私の先輩でもある修業先の社長は根がさばさばした方で、「そんなあらたまって」と話題はわれわれ美術業界の話になりました。美術業界と言っても一括りに語ることはできませんが、業界の特殊性、体質、世間の評価の低さなど、社長の問題意識は業界の後進性にあるようで、企業として成り立っていく商売の在り方をわれわれは考えていかなければならないということをさかんに話されました。それはそれで、利益をあげて、今の厳しい状況を商売人として生き抜いて行くにはまっとうな見識に違いありません。わたしは社長の話を伺いながら、ふと取り残されているような寂しい気分になりました。私自身の商売の見通しを考えるとその心細さが気持ちをおおってくるということもありますが、日本の社会のほとんどの人が、そういう競争のなかで生きているのだと思うと、そういう現実のなかに適応せずに、「売れない掛け軸を扱っていてもしょうがないでしょう」という社長の話しそのままに、売れない掛け軸にこだわって、さらにそのなかでも売れない文人画などにこだわっている今の自分があるわけです。息子には〈修業とは真っ暗な階段を登るようなものだ〉と言いましたが、私だって先は五里霧中です。しかし、時勢に合わない仕事であっても、世間がどうであろうと、我が道生きていきたい。

親父に似て不出来なMy sonよ、世間は厳しいけれど、あなたも我が道好きなように生きていったらいいじゃないですか。

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